加工の違い
高麗人参の加工法は大きく2つに分かれる:
| 白蔘(ペクサム) | 紅蔘(ホンサム) | |
|---|---|---|
| 加工法 | 皮を剥いて天日乾燥 | 皮付きのまま蒸してから乾燥 |
| 色 | 白〜淡黄色 | 赤褐色 |
| 保存性 | やや劣る | 長期保存に優れる |
| 成分 | 原料に近い組成 | 蒸す過程で新たな成分が生成 |
| 価格 | 比較的安価 | 高価 |
「蒸す」ことで何が変わるのか
紅蔘の加工で最も重要なのは蒸熱処理。90〜100℃で数時間蒸すことで、メイラード反応やデンプンの糊化が起き、以下の変化が生じる:
1. 紅蔘特有のジンセノサイドの生成──Rg3、Rg5、Rk1など。これらは白蔘にはほとんど含まれず、抗がん作用の研究で特に注目されている。
2. マルトールの生成──抗酸化活性を持つ成分。紅蔘の独特の香りの一因でもある。
3. 多糖類の変化──免疫調節活性が変化するとされる。
6年根が最高品質の理由
高麗人参は播種から収穫まで4〜6年を要する。ジンセノサイドの総含有量は6年目にピークに達し、それ以降は病害虫リスクが急増して品質が低下する。正官庄が6年根のみを使用するのはこのためだ。
さらに、一度人参を栽培した土地では最低10年間は連作ができない。土壌の微量元素を徹底的に吸収するため、連作すると成分が著しく劣化する。この制約が、高麗人参の「希少性」と「高価格」の根本にある。