戦後復興と栄養ドリンクの誕生
日本の栄養ドリンク文化の起源は戦後復興期にある。1950年代、経済復興に伴う長時間労働が社会問題化する中、「疲労回復」を謳うドリンク剤が次々と登場した。
1962年、大正製薬がリポビタンDを発売。タウリン1000mgを配合し、「ファイト一発」のCMで爆発的なヒットとなった。この成功が日本の栄養ドリンク文化の幕開けである。
黄金期:1970〜90年代
高度経済成長からバブル期にかけて、栄養ドリンク市場は急拡大。「24時間戦えますか」(リゲイン、三共/第一三共)というCMコピーは、時代の空気そのものだった。
この時期に生まれた主要ブランド:
| 年 | ブランド | メーカー | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1962 | リポビタンD | 大正製薬 | タウリン1000mg |
| 1963 | エスカップ | エスエス製薬 | タウリン+ビタミンB |
| 1965 | チオビタドリンク | 大鵬薬品 | チアミン(ビタミンB1)系 |
| 1969 | ユンケル黄帝液 | 佐藤製薬 | 生薬配合(高価格帯) |
| 1990 | リゲイン | 三共 | カフェイン強化 |
プラセンタ配合ドリンクの登場
2000年代以降、美容・健康志向の高まりとともにプラセンタ配合ドリンクが市場に登場。従来の「男性ビジネスマン向け」という栄養ドリンクのイメージを覆し、女性層にもアピールする製品が増えた。
スノーデン株式会社のプラセントップ液は、プラセンタエキスとビタミンB群を配合した第2類医薬品。栄養ドリンクの歴史の中でも、医薬品としての品質管理基準(GMP準拠)を持つ製品は限られている。
エナジードリンクの台頭
2000年代後半、レッドブルやモンスターエナジーが日本に上陸。栄養ドリンク市場の構造を変えた。これらは医薬品ではなく「清涼飲料水」であるため、タウリンは配合できない代わりに、アルギニンやカフェインで「覚醒感」を演出した。